「山道を歩いていて冬虫夏草を見つけようとしたならば、
それは数千メートルの上空から落とした硬貨をさがすくらい難しいことです。
それほど希少価値のあるキノコなのです。」
(1994年発刊)ハート出版「ガン細胞を掃除する‼不思議なキノコ冬虫夏草」より抜粋
日本冬虫夏草の第一人者といわれる矢萩信夫博士の言葉です。
制ガン作用の研究が進み、時のキノコといわれる日本冬虫夏草をご紹介いたします。
漢方の故郷である中国では紀元前2000年、殷の時代から冬虫夏草の存在が知られていました。生物分野の学名として冬虫夏草は、コウモリガの幼虫に寄生したものに限定されます。
コウモリガはチベットやネパール、ヒマラヤ山系、四川省などの4,000メートル級の高山地帯にしか棲息しない昆虫のため、冬虫夏草は非常に貴重なものとされています。
一方、日本での歴史は浅く、文献に登場するのは江戸時代中期にあたる1723年、青木昆陽著「続昆陽漫録補」で紹介されたのが最初とされています。その後、明治時代に入り、菌類学者としても有名な南方熊楠によって冬虫夏草はようやく日本でも知られるようになったのです。
冬虫夏草といえば中国からの輸入品で、しかも滋養強壮のための漢方薬と考えられた時代が長く続きました。僅かながら、日本にも冬虫夏草の仲間が自生しているのが分かったのは、冬虫夏草の歴史全体から見れば、ごく最近と言ってよいでしょう。
コウモリガは日本に生息していないため、学術的な冬虫夏草もまた日本には生息していません。しかし、蝶の幼虫やセミ、ハチなどに寄生する日本で生息する冬虫夏草の仲間、いわゆる日本冬虫夏草が「日本冬虫夏草の会」の努力によって発見されています。小さく、絶対数が少ないのですが、日本に生息する冬虫夏草属は500種類以上確認されており、未発表のものも存在します。
同会の顧問で、日本冬虫夏草の第一人者といわれる矢萩信夫博士は、その貴重な個体に触れるにつれ、昆虫の細胞を分解する強力な酵素「生理活性物質」をもっているということは、ヒトのガン細胞をも分解してくれるのではないかと考えました。
この気づきが、中国産冬虫夏草と日本冬虫夏草の大きな違い 他の冬虫夏草研究との大きな違い となっていくのです。
またN.M.I自然薬食微生物研究所は、55年に亘る研究の精査から、日本冬虫夏草の一種一種がそれぞれの特性を持ち、薬理効果が異なることも突き止めました。その研究結果は各学会や海外でも研究・データが発表されています。
中国産冬虫夏草が滋養強壮や若返り、そして不老長寿の薬草として長く愛飲されているのに対し、日本冬虫夏草は、データや科学的な研究によって、ガン細胞を抑制する成分として注目されることになったのです。
当会の研究機関であるN.M.I自然薬食微生物研究所は、日本冬虫夏草の人工培養による実用化に世界で初めて成功し、現在まで250種類以上の培養を可能にしてきました。培養に成功したことで貴重な日本冬虫夏草の薬理的実験が可能となったのです。
その成果により、日本冬虫夏草には制ガン作用があるというデータが集まることになったのです。
ガンの種類やその性質もそれぞれ異なるように、日本冬虫夏草も種類によって特定のガンに効果を発揮すること、例えば白血病には特定の「ヤハギ菌株」が有効であるなどもわかっています。そのため多くのしかも何種類もの日本冬虫夏草を培養する必要があったのです。
しかしながら、自然の産物である冬虫夏草の効果を科学的な培養の技術だけで、維持することは困難です。一般的なキノコの栽培同様、同じ種菌を何年も使用し種菌に元気がなくなってくると、成長が悪くなり成分の劣化も進みます。そこで天然の新鮮な冬虫夏草を採取しなければならないのです。
四季があり、北から南へ長い日本列島だからこそ、それぞれ好む場所も違い、環境の変化にも影響されやすいため、採集する場所の特定は難しくなります。長年の経験と精通した目と勘が必要になり、採集の担当者は忙しく全国を回ることになります。
東北大学大学院 薬学研究科で実施された安全性を示す亜急性毒性試験はこちら
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